20日に自殺した女優の清水由貴子さん(享年49歳)が、亡くなる直前の足取りが22日、明らかになった。清水さんは20日午後3時30分、静岡・御殿場駅で往復という約束でタクシーに乗車して冨士霊園に向かったが、到着後に片道に変更し、父親の墓前で自殺に及んだ。またこの日、デビュー以来約30年連れ添った元マネジャーが同市を訪れて会見。介護が必要な母の目の前で自殺したことに、無理心中を決意していた可能性も口にした。

 清水さんは18日夜に都内の自宅で84歳の母と妹・良子さん(42)の3人で食事をしていた時に妹に「墓参りに行こうかな」と打ち明け、母と2人で日帰りの予定で家を出た。

 富士急伊豆タクシー御殿場営業所所長によると、清水さんは当初、運転手に往復乗車の旨を伝えていたものの、午後4時25分ごろに到着した後、閉園時間も近づいていることや介助が必要な母親の様子を見たタクシー運転手の心配をよそに「長引くから帰って」と、帰り道の乗車をキャンセルした。死亡推定時刻は午後5時。硫化水素を吸い込んで自殺に及んだのは、早ければその約30分後になる。

 その時の清水さんは、タクシーの運転手が気付くような変わった様子もなく、乗車するときや、途中に供花を買うために立ち寄った場所でも、車イスの母をやさしくいたわっていたという。

 清水さんは06年に前事務所を退社。芸能界から退き、最近はファッションブランドの契約社員としてオペレーターの仕事で生計を立てていた。しかし、最近になって妹に「契約を更新しない」と伝えていたようで、最期を迎える“準備”とも取れる行動もあった。

 自殺現場には「消防署に通報して」、妹宛てで「ごめんね」といったメモ書きの遺書めいたものも見つかっているが、直接、自殺に結びつく理由は明らかになっていない。

 この日、30年間連れ添った元マネジャーの富士原光男氏(57)も会見。引退後はそれほど会うこともなかったというが「人一倍気を使うコが、みんなに迷惑をかけてサヨナラした。ショックが大きすぎて涙も出ない」。30年ほど前から糖尿病や腎臓病を患い、現在は車イスでの生活を余儀なくされ、たびたび骨折したり入退院を繰り返す母の介護が原因とも言われているが、「介護だけじゃなく、今後に不安を感じたりしたところもあると思う」と話した。

 この日、清水さんの遺体は早朝のうちに御殿場署から市内の葬儀場へと移送された。清水さんがメモに残した「東京で葬儀をしないで」という遺志もあり、通夜・葬儀も同所で。24、25日に密葬形式で営まれる。喪主は妹・良子さんが務める。

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