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俳優、生田斗真(24)が来春公開予定の映画「人間失格」(荒戸源次郎監督)に主演することが12日、分かった。昭和を代表する作家、太宰治の生誕100年を記念して代表作の初めての映画化が決定。映画初出演にして太宰ワールドに挑む生田は「太宰治の世界、人間失格の世界に染まりたい」。文芸大作で新境地を築く。

 今冬のフジテレビ系月9ドラマ「ヴォイス~命なき者の声~」から現在放送中の同局系「魔女裁判」主演と、今年に入りテレビでは快進撃が続く生田。ジャニーズ事務所所属で芸歴は10年以上になるが、いよいよ銀幕の世界に進出する。

 太宰が自殺した1948年に発表され、太宰作品でも最高傑作と称される「人間失格」。出版累計1000万部の青春文学の名作だが、映画化もドラマ化もされてこなかった。生田は「とても名誉に感じています」と意気込んでいる。

 都会的でさわやかなイケメンの印象が強いが、酒や女に溺れていく主人公・大庭葉蔵役は“新境地”の役柄。女性と心中未遂を繰り返した太宰の実生活を投影した自叙伝的作品と位置づけられており、「太宰=葉蔵=生田」といえそう。

 生田も「人とは違う感性を持ち、退廃的な生活を送り最後には廃人同然となってしまう主人公を繊細に丁寧に破滅的に演じたい」と意欲満々。同作の井上文雄プロデューサーは「端正な容姿と品格、ナイーブさを持ち備えた主人公のイメージを意識してのキャスティング」と話す。

 製作総指揮を務める角川グループ総帥の角川歴彦氏(65)は「映像化の困難さから、誰も手を挙げることなく今日に至っていた。文学映画の大作として世に送り出すことができ、喜びにたえない」と鼻息が荒い。

 7月クランクイン、来春の公開を目指す。今年は生誕100年で太宰作品3作が公開予定と“太宰映画ブーム”到来の感があるが、角川氏は「角川映画が総力を挙げて取り組む」と宣言する力の入れよう。太宰映画の決定版となりそうだ。

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