野比的日韓瘋

歌手、倖田來未（２６）が、松山ケンイチ（２４）主演のアクション映画「カムイ外伝」（崔洋一監督、９月１９日公開）の主題歌を歌うことが２４日、分かった。ヘンデル作曲の伊オペラ「リナルド」のアリア「私を泣かせてください」をベースにした「Ａｌｉｖｅ」で、クラシックを原曲に使用するのは初めて。孤独や悲しみを乗り越える強靱な主人公の思いを書きつづり、情感豊かに歌い上げた。

　♪黄金色したこの海　憎しみや悲しみを乗り越えて…

　倖田が自身作詞のアリアを壮大に歌い上げる。

　きっかけは崔監督のひと言だった。これまで自身の映画に主題歌を付けたことがなかったが、昨夏に死闘シーンを撮影している際、前々から好んで聴いていた「私を泣かせてください」の晴朗で安らかな響きが映画と重なり、「こういう世界観もありだろう」とひらめきを口にした。

　製作スタッフも崔監督の案に納得し、急きょ悲運を嘆く「私を－」がベースの主題歌を作ることを決定。そこで白羽の矢を立てたのが、伸びやかで力強い歌唱力と素直な気持ちをつづった歌詞に定評がある倖田だった。

　依頼を受けた倖田は、さっそく映像を見て、原曲を映画全体の音楽と溶け合うような形にしたいという崔監督の要望や映画に込めたメッセージを読み込み、孤独や悲しみを乗り越えていく強い主人公の姿を思い描いた。

　５月下旬に行われたレコーディングでは、かなりのこだわりをみせ、ツアー中にもかかわらず、クリアな声が出るようにと３日以上前からのどを使わないように細心の注意を払い、強く切なく抑揚をつけて歌うなどして楽曲に魂を吹き込んだ。

　メロディーは映画音楽を手掛ける作曲家、岩代太郎さん（４４）が担当。ストリングスを加えてアレンジし、より壮大な主題歌「Ａｌｉｖｅ」（今秋発売）に仕上げた。崔監督は「本編とごく自然に連動していて、『カムイ外伝』から離れても、１つの音楽として美しく成立している」と絶賛。一方の倖田は「孤独や困難を感じている方に、光を感じてもらえたらうれしい」と思い入れたっぷりの様子。歌姫が初挑戦した珠玉のクラシック音楽に注目だ。