7日に肺がんのために亡くなったジュエリーデザイナーの勝野七奈美さん(本名・猪田七奈美、享年29歳)の母親でタレントのキャシー中島(57)が18日、神奈川・相模原市の伊勢丹相模原店で開催中のハワイアンフェスティバルで仕事復帰した。まな娘の死から11日。500人近い観衆を前にトークショーを行い、温かい拍手で迎えられた。悲しみをこらえて気丈に振る舞ったが、時折、涙を流す場面もあった。

 麦わら帽子を目深にかぶったキャシーは、温かい拍手に迎えられて登壇した。込み上げてくる感情を抑えながら「どうもありがとうございました。今回はちょっといろいろありまして、ご心配をおかけしました」と深々と頭を下げた。

 「だいぶ落ち着きました。元気にならないといけないということで、元気にやっています。今日は、前から決まっていた(イベントだ)し、絶対に来なきゃいけないと思っていました」と声を絞り出した。鳴りやまない拍手、「頑張って」の声援。「いつもは元気なんですけれども、泣いちゃいけないと思うと…。打たれ強いんだけど、こればかりはね…」。観衆の優しさに触れ、こらえていた涙がほおを伝った。

 七奈美さんの死から11日が過ぎたが、キャシーは、今ももがいている。「アップダウンが激しくて、急に落ち込んだかと思うと、すごく明るく元気になったり、心と体が付いていかない。頭ではいろんなことを理解しているのに心はやっぱり違う」と複雑な胸の内を明かした。それでも、夫で俳優の勝野洋(59)ら家族の存在が大きな支えに。「娘はそれ(今の自分)を望んでいない。きっとここにいたら『ママ何泣いているの?』って言うと思う」と何度も言い聞かせて、自らを奮い立たせている。

 まな娘の死を無駄にはしない。ハワイアンキルト展やチャリティーコンサートの売り上げの一部を、がんに苦しむ人への援助、がん研究に役立てていくため施設や病院に寄付する「773(ななみ)基金」、「773チャリティー」に向けた準備も進めている。「私みたいな、つらい思いをする母親を出したくない」とキャシー。7月末か8月上旬にも、都内で記者発表を行う予定だ。

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