野比的日韓瘋

「サザンオールスターズ」の桑田佳祐（５４）が初期の食道がんであることが２８日、分かった。所属事務所が発表した。今月中旬に内視鏡検査を受け、ポリープが見つかり、精密検査の結果、がん細胞が見つかったという。近日中に入院し、８月上旬に手術する。１０月２０日の新アルバム（タイトル未定）の発売を延期し、同２８日からの全国ツアー（１０か所１９公演）は中止。術後の経過を見て年内復帰を目指す。

　桑田に食道がんが見つかったのは今月中旬。１０月の全国ツアーを前に受けた定期健診だった。内視鏡検査でポリープが発見され、精密検査をすると、がん細胞が見つかったという。４段階で表す進行度は「ｓｔａｇｅ１」で初期のものだった。

　桑田は、０８年１０月に最愛の姉、岩本えり子さん（享年５６歳）をがんで亡くすつらい経験をしている。自身は年に１回、人間ドックなどの定期健診を受けてきた。今回、半年前の健診では数値的に医師から「経過観察」と診断され、それが早期発見につながった。

　これまでの人生で病気らしい病気もせず、健康そのものだった本人にとって、がん告知は動揺があっただろうが妻の原由子（５３）ら家族と努めて冷静に受け止めていたという。

　近日中に都内の病院に入院し、８月上旬に除去手術を行う。桑田といえば、ファンを魅了してきた特徴あるハスキーボイス。歌う上での生命線である声帯を傷つけはしないか？　医師にその影響を十分に確認した上で手術することを決意したという。気になるがん細胞の大きさ、細かな位置、複数のやり方がある手術法については明かされていない。

　術後はしばらく、治療に専念する。レコーディングの終わっている８月の新曲は予定通り発売されるが、１０月２０日の新アルバム（タイトル未定）は発売延期。同２８日からの全国ツアー（１０か所１９公演）も中止を決めた。入院するまで作詞活動などできる範囲の作業を行い、現在も普段と変わらない生活を送っている。

　健診前の今月４日には、神奈川・鎌倉芸術館で行われた原のライブに登場し、元気な姿を見せたばかりだった。

　桑田は「自分自身の体調を回復させ、制作中のアルバムをなるべく早く皆様にお届けするようにいたします。ツアーは一旦キャンセルになってしまいますが、しばし治療と静養に充てるお時間をいただいて、また改めてみなさまにお会いできる機会を、心より楽しみにしたい」。

　さらには「それまでしばらくの間、どうかご心配なさらず（そんなのムリか！？）待っていてくださいね。お楽しみは、あ・と・で♥」と、ファンの心配を緩和し、暗くさせまいとするユーモラスなコメントを発表した。

　３１日にはレギュラー番組、ＴＯＫＹＯ　ＦＭ「桑田佳祐のやさしい夜遊び」（後１１時、収録）で、リスナーに闘病前の心境を語るとみられる。関係者には「年内にはアルバムを出したい」と語っており、がんを克服して年内復帰で再び元気な姿を見せるつもりだ。

　桑田佳祐コメント全文
「この度は、ご心配をおかけして本当に申し訳ない気持ちです。

　そして、今年の活動を楽しみにしてくれていた皆さんには心からお詫び申し上げます。

　まずは自分自身の体調を回復させ、制作中のアルバムをなるべく早く皆様にお届けするようにいたします。

　ツアーは一旦キャンセルになってしまいますが、しばし治療と静養に充てるお時間をいただいて、また改めてみなさまにお会いできる機会を、心より楽しみにしたいと思っております。それまでしばらくの間、どうかご心配なさらず（そんなのムリか！？）待っていてくださいね。

　お楽しみは、あ・と・で♥」

　◆食道がん　日本では毎年、約１万人が疾患しているとされる。要因は喫煙、飲酒、熱い食べ物のし好など。男女比は６対１で男性が多い。約２割は無症状で発見され、食物の引っかかりなどの症状が出た時には進行していることが多い。そのため、検査による早期発見が有効になる。

　◆治療法　内視鏡治療、手術、放射線治療、抗がん剤がある。がんの中でも、最も治る確率が高いとされるが、外科医にとって手術はすい臓がんと並ぶ難易度。高い執刀技術が求められる。

　◆桑田　佳祐（くわた・けいすけ）１９５６年２月２６日、神奈川県茅ケ崎市生まれ。５４歳。サザンオールスターズのボーカル＆ギターとして、１９７８年６月２５日に「勝手にシンドバッド」でデビュー。「いとしのエリー」「真夏の果実」などヒット曲多数。２０００年の「ＴＳＵＮＡＭＩ」は約３００万枚の大ヒット。０８年に日産スタジアムで３０周年記念ライブを行い、約３０万人を動員。シングル５３枚、アルバム２７枚を発売。ソロでシングル１２枚、アルバム５枚を発売。レギュラー番組はＴＯＫＹＯ　ＦＭ「桑田佳祐のやさしい夜遊び」。血液型Ａ。